2011-08-07

F1ドライバーに挑戦!

HP管理人、今週水曜日に一日だけ休みを取って 
「グッドスマイルレーシング 可夢偉チャレンジ」に参加してきました。 

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このイベントはご存知ザウバーF1チームの押しも押されぬエースドライバーであり、 
モナコGP5位を含む、今シーズン6戦連続でポイントを獲得する大活躍を見せている 
現役日本人F1ドライバー「小林可夢偉」にレンタルカートで挑戦できるという 
まるで夢のような企画です。 

http://as-web.jp/news/info.php?c_id=7&no=35157 

最初にこのニュースを見つけたときに、 
「そんなバカな!嘘でしょ!!」と思いました。 

だって、現役F1ドライバーですよ。 
夏休み中とはいえ、世界各地を転戦し、 
パドックで間近に見るためにはウン十万円くらい?必要な、 
そんなセレブな世界に住む本物のF1ドライバーが 
埼玉の片田舎のサーキットで、ど素人たちとレースしてくれるなんて 
ありえない企画です。 

実際、そんなフランクなことしてくれるF1ドライバー 
一昔前ならともかく、今は聞いたことがありません。 

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このニュース見て、こんな妄想が膨らんだんです。 
「F1マシンには乗れないが、レンタルカートならひょっとしたら勝てるんじゃないか?」 


レンタルカートなら、元インディドライバーで今年はGT300に参戦する松浦孝亮選手や、 
F3やGT500で活躍する安田裕信選手、同じくGT300でチャンピオンを取ったこともある佐々木孝太選手と、 
そこそこいい勝負をしたことがあります。 
ひょっとしたら、レンタルカートならF1ドライバーに勝てるんじゃないか? 

・ 

なんて妄想するのは自由だけど、 
実際挑戦する機会などあるわけが無い。w 


ところがなんと。。。そのチャンスが目の前に。 


これを逃したら一生後悔する! 
その日の晩に申し込みました。 


主催するグッドスマイルカンパニーはフィギュアの会社ということしか知らないけど、 
GT選手権に初音ミクのオタ車(失礼。。)で参戦したりしているので、 
モータースポーツファンにはお馴染みの会社ですね。 

そして可夢偉選手をスポンサードしている、 
唯一の純粋な日本企業では無いでしょうか。 
こんなに世界で大活躍して僕らの期待を背負っているのに、 
不思議と日本の企業は応援してくれません。 
モータースポーツの現状を思うに、 
とても熱い会社だな~と思います。 

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とりあえず勢いで申し込んだものの、イベントの開催地は埼玉県の羽生市にある「クイック羽生」 
調べると名古屋から車で5時間半、電車でも4時間半かかります。 
休みは1日しか取れないし、レースは朝の9:30受付開始だから 
朝出ていては到底間に合いません。 

何年ぶりかに高速バスで東京まで行き、そこから電車で行くことに。 
幸い、サーキットは電車の駅から徒歩10分くらいの場所にありました。 
朝6時に新宿駅に着き、マックで朝食。 
この時間に満席とは相変わらずおかしな街ですね。>東京 

そこから埼京線、高崎線、秩父鉄道と乗り継ぎ、西羽生駅下車。 
会場に着くと、すでにメディアの方々がたくさんいらしてます。 

チョット緊張。。 


あれ、あそこにいるのは。。。 

可夢偉!! 
もういるの!? 
コース内でメディアの取材を受けています。 
ああ、こんな目の前で。 
と思っていたら、コースから戻ってきた可夢偉が目の前でファンにサインを書き始めます。 

その距離1、2m先。。。 


何なんだ。この距離感は。 
普通にしゃべれる距離じゃないか。 
こんなに近くていいの?! 
というよりもトップドライバーに登りつめても、 
あなたの心は普通にフラットなんですね。

改めて好感度アップ! 
思ったより身体つきががっしりしている。 
F1ドライバーは首の太さが違うというけど、 
とにかく上半身がムキムキですごい。 


とりあえずコース上を歩いてみました。 
lコース内のグリーンがとってものどかです。 
コース上はこれでもか!!ってくらいコーナーが連続する超ミッキーマウスサーキット。 
抜けるのはストレートエンドしか無いじゃん! 
(実はこれが間違いやった。。。) 

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朝、受付のお兄さんもかっこいいな~と思っていたら、後でレーシングスーツ姿で現れビックリ。 

グッドスマイルレーシングのGT300ドライバー番場琢選手でした。 
レース進行や参加者への説明など、イベント中めちゃめちゃ働きまくっていました。 
可夢偉選手との漫才コンビで楽しませてくれるし、ポケットから出し忘れたタバコを預かってくれるし、 
(後で返してもらうときに「1本唐辛子入りだから♪」と言われました。。。w) 
サインをもらったら、横に「タバコ」と書かれました。。。w 
今回のイベントの立役者はホント番場選手だったと思います。




ちなみにドライバーがレーシングスーツを脱いでいるところって、 
とてもかっこいいと思うのは僕だけでしょうか。w 


そのGT選手権に参戦する番場琢選手と可夢偉選手は 
FTRS時代の同期で、仲良しだそうで、 
「可夢偉選手、グッドスマイルカンパニーの社長さんと番場選手の3人で、 
何か面白いことやりたいね~と話していて、今回実現しました」 
とのことでした。 
グッドスマイルカンパニーの社長さんも若い方で、自らイベントの進行を仕切ってて、 
なんつうか、この手作り感がまたいい! 


敷居、低! 
すばらしいぞ! 
これぞ僕たちの愛するモータースポーツだ!! 


と、緊張感もだんだんホグレて来たところで、 
予選走行へ。 

・ 

今回のイベントは40名のファンがレースに参戦します。 
全体で5つのグループに分かれて、8人づつが5分間の予選走行を計5回行い、 
そこでタイム計測した結果の上位8人が決勝で可夢偉選手と戦います。 
予選にも各グループ1回づつ可夢偉選手が参加し、一緒に走る機会があります。 

使用車両はコース所有のレンタルカート(おなじみのビレルN35)です。 
タイヤの状態がまちまちだから、お楽しみにと言われて乗り込んだ10号車。 
リアの新品タイヤに目をつけて乗り込んだものの、フロントタイヤがほとんど寿命きれ。。。 

とにかくコーナーだらけで、コースを覚えられない! 
前の遅い車がいても抜けない! 
しかも1周に1回くらいは前が詰まる! 

・ 

1回目は確か48.9秒くらいでした。 
トップは46.6くらいだったと思います。 
番場選手曰く、「朝の早い時間の方がタイムが出ると思うので、実は1回目が勝負です!」 
とのことでしたが、コース習得で終わっちゃいました。 

これはなかなか厳しいことになりそう。 
参加者40名の内、ファンとして参加しているのが20名、打倒可夢偉として参加しているのが20名ほど。
さらに同じ組にいる速い人はこのコースの常連さんらしい。 
特徴的なコース特性だけに、やっぱり慣れている人が有利か。。。 
こうなるなら、前日入りして練習しときゃよかった~。 

・ 

2回目の走行は4号車。 
1回目よりはマシな車で、コースも結構覚えてきたので、47.8くらいまで出て、 
4番手くらいにランクイン。 
少しホッとして、昼飯のカレーを食べるも、最終のE組に速いドライバーが集中しており 
47秒台前半をがっつり出される。 
3回目は1号車で挑むも、またハズレ車でタイム更新できず。 
3回目終了時点でタイムは8番手。 

・ 

やばいな~と思い始めているところで、参加者全員がパドックに集合。 
番場選手が説明。 
「実は予選中にタイム計測できていない車がありました。 
参加者を平等に扱うため、今までの記録は無しとさせてください」とのこと。 
4・5回目のアタックで上位の8名で決勝を戦うことに。 

・ 

元々、8位という微妙なポジションだし、 
そのタイムで決勝に残れる保証は無い。 
でも残り2回の予選でいい車を引き当てられるかが問題。 

統計を取ったところ7・5・8号車が良さそう。(しかもナゴヤとはゴロがいい。) 

今のところ、車は早いもの勝ちで、希望が重なった時はじゃんけん。 
一度も乗っていなかった絶好調の5号車にじゃんけんを挑むものの負けたので、 
フロントタイヤも替えたっぽいし、先頭でコースに入れる10号車へ。 


意地でもスーパーラップを決めてやると、 
気合をいれて発車した最初の右コーナーで、 
ナンじゃコリャ~! 


フロントタイヤが終わっていました。。。 
しかも左だけ。。。 


両方替えようよ。。。 


右コーナーだけ、まるでウェットコンディションのように 
車の向きが変わるのをじっと待つしかない無力感を感じる車。 
死ぬ気で攻めたけど、48.6秒しか出ずにランク外。 

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これはまずい。。。 
しかも最後の5回目は車の抽選は全員でジャンケン。 
昔から苦手なんですよ>ジャンケン 

結果4番目だったけど、得た車は調子の悪く無さそうな8号車。 


泣いても、笑っても、チャンスはあと1回。 

可夢偉にチャレンジするために遠路ナゴヤからはるばる来たんだ! 

写真やサインを貰うために来たんじゃない!! 

オレはこの1回に賭ける!!! 

・ 

ということで、予選5回目の動画です。 




気合を入れてコースイン。
インラップを終えてコースに入ったところで、ピットレーンから可夢偉が登場!
いかんいかん、まずはタイムを出すことに集中しないと。
車の調子はいい。
これならタイムを出せそう。
ただ、相変わらずクリアラップはなかなか取れず、前の車に詰まってしまう。

と、

思っているところに突如インから可夢偉選手に抜かれる。

予選なのに打倒可夢偉のチャンス到来。
これはもう付いていくしかないっしょ。
ここからアドレナリン全開の時々縁石ジャンピングドライブ。


しかし、可夢偉選手の走りは無駄がなく美しい。
よく「急」の字が付く操作をしないというけど、まさにその通り。

意外と差は開かないから、付いていけるかもと
最初は思ったけど、
やっぱり徐々に離れていく。


そして遠く彼方へ。


その後はタイムを出すことを忘れ、ひたすら可夢偉を追いかけました。
走り終わって、まず思ったことは「今日は可夢偉のすごい画が撮れた。w」という喜び。

さらに、走行結果を見てビックリ
ランク1位 : 47.058


YES!
YES!
YES!


後の走行で46.5秒を出されるも、予選2位で決勝に進むことに。
たぶん、可夢偉選手に引っ張られていた4周目辺りにベストラップが出たと思う。



そしてついに決勝。

ここで再度予定変更。

明らかに調子の悪い車があるので、それを外した7台で決勝を戦うというもの。
決勝参加者8名を2グループに分け、それぞれにプロドライバー3名が参加する計2レースに。

可夢偉選手、番場選手と、もう一人のプロドライバーは、
当日番組の取材も兼ねて来ていたのか、
今年のカート選手権のジュニアクラスのランクトップの子だそうです。


最初に5位~8位の人たちがレースをやるも、プロドライバーは遅い車を選んだため、
後方で3台が争う展開に。

これではマズイと、第2レース前にプロドライバー集団がなにやらコソコソと。。。
番場選手から「決勝の作戦が決まりました。可夢偉が先頭を押さえ、後ろから僕達がかき乱す作戦です。」w
さらに「可夢偉は9号車に乗ります。」
これは予選で可夢偉選手が乗っていた車で、
速いもののブレーキにトラブルを抱えているため、
決勝はほとんどノーブレーキでの走行となります。

最初はそんなに作戦うまく行くかな~と思っていたんですけどね。。。

肝心の自分が乗る車はここぞのジャンケン勝負に勝ち、
最速の5号車。
オッシャー!

ということで、決勝動画。



ハイ。

F1ドライバーにもてあそばれました。。。


スタートから5号車は絶好調
余裕で1コーナーをトップで抜け、
逃げ切れるぞ!と思った左の2コーナー。
なぜかイン側に白いスーツの人がいるんです。

あれ?

最後尾スタートじゃなかった?
ひょっとしてジャンプスタート決めた?w

しかもイン側全然空けていないつもりなのに、
どこ走ってきたの?

ありえない抜き方をされて呆然とするも逃がすまいと必死に追いかけます。


あれ?

結構、追いつけるじゃん。


ん? あ、あれか!?


そう、頭を取って抑える作戦。w

明らかに前をゆっくり走るので抜きたいのに抜けない。
しかもこっちをチラチラと見ながら。


世界のカムイがオレを見ている♪


なんて事に序盤はチョット感動しつつ、後ろがどんどん詰まってきて、
ドライバー全員熱くなってきて、レースはどえらい展開に。

全コーナーで、後ろから、横からドカドカ当たってくるし、
こっちも可夢偉にガツガツ当てながら、
縁石の上から草の上まで走り、まさにドッグファイト。
みなさん、レンタルカートだということをすっかり忘れています。w

レース中、「うぉー」とずっと叫び続けてました。w


ストレートラインスピードに勝る5号車で何度も可夢偉を抜くも、
イン側抜かれないように注意していても、どこから入ってくるのか分からない角度から
バンバン抜いていきます。


F1でもそうですよね。


予選順位が悪くても、スタートで抜群の追い抜きを見せ、
去年の鈴鹿でもヘアピンコーナーでありえないオーバーテイクを連発したあの可夢偉選手です。

「うぉー、すげー。これがありえないオーバーテイクか~!?」
しかも抜かれているのが自分なことに歓びを覚えつつ、
いやいやこのレース絶対勝つ!と燃えまくりました。

後ろを走るドライバーさん達も、さすがにメチャメチャうまかった。
最初は抜けないコースだと思っていたんだけど、
あれよあれよと言う間に、1台また1台と抜かれ、気づくと最後尾に。
(番場選手はさすがに車が辛すぎて、後方でのレースとなってしまいました。)

5号車はストレート速いけど、タイヤはもう落ち目でしたね。
特に右コーナーがアクセルを踏むと膨らんでしまうため、
クイック羽生の抜きどころである右コーナー全てが辛い。

レースはジリ貧で、辛い展開になっていたのですが、
終盤、2位を走る選手がハーフスピンしたところに、ジュニアの子が突っ込み
その混乱をアウト側で避けれたので、3位まで復活。
また、可夢偉選手も前を譲ってくれたので、一般参加の方との一騎打ちに。


最終セクションを大回りしてストレートでの追い抜きに賭けたのですが、
後から聞くと、このコース必勝のイン側を閉じるラインで1コーナーの飛込みを防がれ、
手も足も出ない。
しかも、まったくミスがなく、コーナーも速く、引き離されてしまう。

さらに、後ろから可夢偉選手のプレッシャーをひたすら受けるので、
防戦一方に。



そんなわけで、そのまま何とかチェッカー
2位表彰台。


こんなに熱く、激しく、楽しいレースは生まれてはじめての体験でした。
すべては可夢偉選手の構想通り。
まさにF1ドライバーの手のひらでもてあそばれた「可夢偉劇場」でした。


でも、F1ドライバーを抜いて、抜かれて、チラチラ見られて、
全部思い出ですね。w

しかも一時は最後尾まで落ちるものの、2位表彰台が獲れて、
本当に満足感たっぷりのレースでした。
さらに可夢偉選手のオーバーテイクの凄まじさを、間近で見れたのは感動ものでした。

表彰台では生まれて始めてのシャンパンファイト。
一位の選手から「皆さん、わかってますよね。濡れたら帰りとか大変ですよ。」と言われ、
でもやっぱり、ブッシャーとやりたい!!と思いつつ、うまくコルクが抜けなくて、
結果として、大人しいシャンパンファイトに。w
(あれ、最初に思いっきり振らないとだめですね。。。)

でも一口飲んであまりの美味しさにビックリ。
レースで喉からからだからかな。
キミがレース後にがぶ飲みしたくなる気持ちが、超わかる。

表彰台インタビューで可夢偉選手にひとつお願いしました。
これです↓


ケビン・シュワンツのサイン(レプリカ)の横に、可夢偉選手の本物サイン!
前方には番場選手にもサインいただきました。
上からラッカーかけて、宝物にします。(レースで使うけど。。。)

表彰台写真は自分では取れなかったので、とあるHPから拝借いたします。m(_ _)m
現地で仲良くなった方に、後日レース中の写真を送ってもらうことになっているので、
楽しみ。


ちなみにカップと商品はこれ。
うーむ、こっちの筋には詳しくないので、
誰かこの価値を教えてください。w




決勝動画別カメ その1

3位の川福選手のアップしたYOUTUBE動画です。


画角が広く、音声も鮮明なので、いかに激しいバトルだったかがわかります。
(いや、こんなに激しかったのか~と、新たな驚きも。w)
レース前のプロドライバー達の作戦説明も記録されています。w
事前にわかっていても防げないんだからお手上げですよ。ホント。

川福選手は筑波サーキットのFJに参戦しているそうです。
あの激しいバトルを潜り抜けた仲間のような感じで、
これからも頑張って欲しいですね。


こちらは1位の方がアップされた動画です。


はたから見ると、可夢偉選手驚異のオーバーテイクショーがわかりやすい。
というより、自分の下手さ具合を客観的に見て、ちょっと凹みました。

カート以外にも、ハコ車やフォーミュラカーなど、
あらゆるモータースポーツをやられているそうで、ホント完敗でした。

決勝を戦った方々とは、レース後色々と話しました。
モータースポーツを通して、色々な方と交流できるのは
やっぱり楽しいですね。



そんなわけで、このイベントを通して改めてモータースポーツは
面白い!と思いました。
見るだけじゃなくて、自分が参加できる、そして自分がその気になれば
どんどん垣根を越えていける世界だなと
今までよりも、もっと身近に感じることができました。

まさに今回のイベントを企画したグッドスマイルレーシング、
そして可夢偉選手のそんな思いを感じることができて、
心からありがとうと言いたいイベントでした。

帰りは現地で知り合った方に駅まで送っていただき、
新幹線でビールをプシュっと。。



また今後もできれば寒くない時期にやりたいと可夢偉選手がいっていたので
また来年の夏休み頃でしょうか。
再チャレンジの時は、もう少しもてあそばれないように頑張らないと。。。
もっとレンタルカート、しいてはモータースポーツでみんなで盛り上げていきたいとホント思いました


可夢偉選手、番場選手、そしてグッドスマイルレーシングの皆さん、ありがとう!
これからも頑張ってください!



以上、長文になってしまいました。



P.S.
新幹線が駅に着いたので外を見たらそこは京都駅でした。
チャンチャン。